29歳と10ヶ月。あと2ヶ月で20代が終わる。
そんな2007年の暖冬。乳がんの告知を受けた。

今後どうなるのか、とても不安で仕方ない。
だから自分のため、これを読む誰かのために、私が日々思い
考えることを記録し、経験として綴っていきたい。

これからも穏やかに笑ってすごしたいから、少しずつでも前を向いて生きていきたい。


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010/手術当日
数時間前に、下剤を飲まされた。

カンチョーは絶対いやだ。絶対にイ・ヤ・ダ。
しばらくトイレに閉じこもり、うん子さんを出した。
出ないかな。と思いつつ、2回もだした。


さて、いよいよ。

ご飯が食べられないこの憂鬱な感じ。悲しいいやだ。
それでも、点滴はスタートした。


ボーっとテレビを見たり、マンガを読んだりしていたら、
"トントン"とノックの音がする。
見上げると、お父さんとお兄ちゃんが何となく
そわそわ落ち着かない視線で、のぞいてた。

「どうだー調子は?」

元気に振る舞ってる、
だけど明らかに緊張しているお父さんを見たら、
本当に申し訳ない気持ちになった。

1年ぶりに会う娘が、ベッドの上だなんて
家族はどんな気持ちなんだろう。しょんぼり


体の調子を話しながら、
何となくみんなで、テレビを見ていたら、
またノックの音がする。

会社を休んでまで来てくれた友達だ。
手術前は、不安定な私を気遣い、毎日会いに来てくれた。
そして必ずメールをくれた。

彼女への言葉は、いくらあっても足りない。
今後、助けてあげられることがあるだろうか。女


そんな思いとは真逆に、病室ではゲラゲラ笑って過ごした。




とうとう来て欲しくない瞬間が来た。



何か変な帽子をかぶり、歩いて手術室まで行く。
みんなに見送られて、ちょっと恥ずかしい。あせあせ

「行って来るよっ」
ぶんぶんと手を振った。



寝かされた部屋は、少し寒かった。
キョロキョロしていたら、笑われた。


きっと、まな板の上の鯉は、こんな気分なんだ。


私に何をしてくれる。
よってたかって何だ、みんなしてさ。
軽く手足を固定されているため、動きもとれない。


他に気を取られてる間に、腕に筋肉注射なるものを刺された。
ぐわーーーーーーっと叫ぶ。ほど痛い。
びっくりこんな痛み聞いてないよマジで!!


軽くパニックになっている状態だった。
そして、口に酸素マスクっぽいものが、ポコッと装着される。

「あれ?スタートしちゃうの?麻酔きかなかったりしたら超痛いんじゃ・・」
そんな恐怖が頭をよぎった。
「はい、まぶたが重くなりますよー」
絶対寝ないぞ。ぜったい寝ないぞ。



体が重くなり、水へ沈むような感覚だった。


たったの数秒で、痛みのない
無意識の世界へとおちてしまった。

009/入院初日
入院は手術の前日だった。
手続きを済ませ、初めての入院生活のスタート。
意外と小さい個室で、いきなりパジャマに着替えろと言われる。
ばっちりお化粧をした顔に、パジャマ。。
何か、変なの。まだピンピンしてるのに。しょんぼり

体温を測り、脈をとり、酸素の量を測る。
そして、肺の検査で終了。

暇になったとたん、どこかへ行きたくて仕方ない。
買い物したいといって外出許可をもらい、
こっそりスタバでラテを飲んだ。ホットコーヒー

初の夕食、ぶりの照り焼きが出た。
病院食も、捨てたもんじゃない。
もぐもぐと地道に完食。

落ち着いたころ、個室のお風呂につかり、
今の右胸ちゃんと最後のお別れをした。
若干、左より大きかった右胸ちゃん。
30年近くも私のそばにずっといてくれた。
少し形が変わっちゃうけど、悪いところを取ってもらおうね。

どうもありがとう。女

ポカポカしたまま、ボケーっと夜を過ごした。
眠れなければお薬出しますよ。と言われたものの、
意外とあっさりと眠ってしまった自分を、
我ながら図太いな、と関心した。

てゆうか自分の病気が、まだまだリアルじゃない。
008/入院まで
手術をすると決まったら、あとはもう検査をこなすだけ病院

胸のレントゲン、腹部の超音波、
骨シンチ、MRIと、聞きなれない検査もした。

MRIは、手の甲に点滴の針を刺したまま、
数十分じっとしてなくちゃいけないのが、ちょっと嫌だったな。
途中、別世界へ行ったような気分だった。

検査を受け続けていく過程で、
転移を気にしなくちゃいけないのが、何より苦痛ともいえた。
結果、ほかへの転移は現状ナシ。。。ほっとした。

ただ、しこりだけではなく、
乳首に向け、乳管のなかを広がるがんの姿が映っていた。
これにより、少し広範囲での切除が決定した。
検査の途中、自分でわきの下にしこりも発見。ドキッとした冷や汗
転移かどうかは、リンパ節を調べないと分からないらしい。

この数日、お風呂に入り、
湯船にぷかぷか浮く胸を見ては、大声で泣いてみたり、
友達に会っては号泣したり、笑ったりはしゃいだり。
家族へは本当にひどい状態で、八つ当たりした。
それでも仕事へ行き、普通の生活がしたかった。

しょんぼり本当に不安定な2週間だった。

最終的に、初診からちょうど3週目の水曜日が、
私の手術日となった。
素早く対応してもらえたことは、本当に運がいいと思う。

入院の前日には、今までの日々がうそみたいに、
開き直り、もうちゃんと前を向こうと、そう思う自分が居た。

家族や友達や、職場の人や先生のおかげで、
そう思うことが出来たんだろうと思う。
やっぱり私ったら運がいい嬉しい