29歳と10ヶ月。あと2ヶ月で20代が終わる。
そんな2007年の暖冬。乳がんの告知を受けた。

今後どうなるのか、とても不安で仕方ない。
だから自分のため、これを読む誰かのために、私が日々思い
考えることを記録し、経験として綴っていきたい。

これからも穏やかに笑ってすごしたいから、少しずつでも前を向いて生きていきたい。


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005/検査の結果
「・・うーん、何て言ったらいいかなぁあせあせ
最初の一言で、全て分かるような言い方だった。
「悪性だったんですよねぇ・・」

ア ク セ イ ?

私は何のリアリティもなく、演者のようにため息をついた。
全くもって、リアルじゃないし、重みのない一言だった。

だって悪性って事は、がんってことでしょ?


ちょっとした覚悟なんて、覚悟してないと同じだ。

先生は、何かいろいろ説明をしてくれたけど、
その内容は、ほとんど覚えてない。
ただ、いくつもある項目の中「悪性」にチェックが入っていた。

頭が思考するのをやめた。

その後、がんとは何か先生から説明があったけど、
耳になんて入らなかった。

帰りの電車は最悪だった 怒り
私は今さっきがんと言われたのに、何で君たちは普通なの?って。
今まで何も思わず、向こう側だった自分が
たった一言で、そんな精神状態になるなんて思ってもいなかった・・冷や汗

鼻の奥がツーンとして、目に涙がたまった。
下を向いて涙を拭くけど、鼻はまたツーンとした。

今朝まで、ぐいぐい読んでた本を広げてみたけど、
目は、何も読んでいない。その上、涙で読みにくい。

やり場のない気持ちで、泣き叫びたくなった。

最低だった。
004/追加の検査
初診後、
「胸にしこりがあって、病院に行ったんだ」と
母親と、そして1人の親友だけにお知らせしてみた。

針をさされてから、2日後、
今度は、レントゲンを撮るという。

そもそも、あの黒い影を見た日、
あれがすでにヤバい気がしてた。
あいつは何だろう?この私の胸にある黒いやつ。
どうして気が付かなかったんだろ?
毎日一緒の、自分の体なのに・・・

ただ、漠然とした不安だけが、ずっと頭にある。ショック


そして、レントゲンの日、
マンモグラフィーというらしい機械。
胸をぎゅんぎゅんにつぶし、はさみこむ。

自分の状況が明らかにおかしい。
途中、かなりにやけた。
そして、耐えきれず笑った。あははっ

その後すぐに、写真を見た。
「皮下脂肪が、ほとんど無いし、垂れにくい胸です」
と、少しだけ嬉しいことを言われた。
「これでみると、うーん・・良性かなぁ。。」
とさらに輪をかけて喜びの言葉がっ!!

まじっすか!?びっくり心が、ものすごい勢いで軽くなる。

その日のお昼休み、親友から電話があった。
心配してかけてきてくれた。心からありがたいと思う。
良性とは言われたものの、なぜかモヤモヤしていたし、
微妙に、喜べない自分がいた。
003/初診
気になることがあると、ジッとしていられない。
胸にあるしこりに気が付いたあとは、
1日が長い。とっても長い。

長い長い5日間を過ごし、朝一の診察を受けるため、
会社に行くよりもちゃんと家を出た。

職業柄、少しだけ朝が遅い。
満員電車 電車 には、不慣れで、駅に着く頃にはすでにグッタリ。。
こんなにヘビーな朝を、みんな過ごしているなんて・・
それだけで、このギュウギュウの電車に乗る人々が偉い人に見えた。

しかし、そうも言ってられない。
サクサク歩いて、目的の病院へ病院
「乳腺外科」初体験。いざ!

さすが朝一、空いている。
ほとんど待たずに、名前を呼ばれ、診察室に入る。
かわいい女の先生が、ちょこんと座っていた。
「はい、では服を脱いで」
恥ずかしいなぁ何か。と思いつつ先生の前で服を脱ぐ。

私の胸と先生の顔が、初のご対面。

マッサージ師の様に、私の胸を触りまくる。
「うーん・・あるわね。確かに・・」
つぶやきつつ、次なる検査。
冷たいジェルを胸に落とし、超音波をあてる。
左は問題ないらしい。
右に移り、機械をすべらせた瞬間、
真っ黒な影が映し出された。

「・・・これ何かやばそう。。」
素人目でも、明らかに悪いモノが映っているように見えた。
ふむふむ。とサイズを測り、念入りに周りを見る。
「ちょっとヒョウタンみたいな形をしてるわね。うーん・・」

そんな事を言いつつ、注射を持ち出してきた。
「ちょっと組織の検査しましょうね」
と、太っとい針を、ぐさっと私の右胸ちゃんに刺した。
超音波の画面を見ながら、ぐいぐいと針が進むのがわかる。

ちょっと痛いんですけど。。冷や汗と思いつつ、
あっという間に終了。
「じゃあ、次は胸のレントゲン撮りますので、あとは受付で」

あっさりと色々が終了。
言われるまま受付で次の予約をとった。

気分はかなり最悪な感じ。この時、いい予感が全く無かった。
002/初診まで
2007年1月

眠るとき、胸の下、ちょうど肋骨のあたりに
ふと手を置いた。右胸の下が、ポコっと出ている感じがした。
??と思って、もう一度触り、左も触ってみる。

・・・骨かな。。うん。肋骨な気がする。。


2007年2月

また胸の下に手を置いて眠ろうとする。
右胸の下、まただ。
でも、今度は確実に何かあるぞ。って感じ。

・・・これ、やばくない??汗
どうしよう。

気持ちが眠ることを拒否したのか、眠れない。目をつぶる。

ぐるぐるぐるぐる。いや〜な感じにとりつかれる。

むりだ!!冷や汗電気をつけて、ネット検索。・・カタカタカタカタ

そこで辿り着いた「乳腺外科」
職場近くの専門医は、たった1カ所。

翌朝、診察時間と同時に電話する。
「本日のご予約だと、一週間後です」
・・・な、なんだとぉ〜!!!!

でも、仕方ない。
でも、キャンセル待ちもあると言うことで、
それも予約。

電話から5日後。連休明けの早朝、
私は初めて乳腺外科に行った。